女

刑事が、勤務先まで、やってきた。
友だちについて話を聞きたいから、と。

詳しいことは教えてくれないのに、
関係性を聞かれる。

少し前に 彼女が泊まりに来たことまで、
知られていた。


その昔、彼女は、
結婚詐欺の容疑で 取り調べを受けたことが
ある。

容疑は晴れたものの、そのせいで
その後何年も苦労することとなった。

そのことを知っている
私としては、
警察に快く協力する気には、なれない。


*****

もし 、これが わたしの身にふりかかったこと
だったとしたら、
わたしは たぶん、その友だちに、
刑事が自分のところへ来たことを
伝えるだろう。

こんなこと 聞かれたけど、大丈夫？
なんか あったの？
…と。

そして もちろん、
その刑事が、彼女の勤務するスポーツジムで
彼女の指導するコースを
受けていたことがあるらしい、
ということも。

ついでに言えば、
かなりのイケメンね、
とも。


つまり、容疑者の身辺調査で
その親しい友人になんか 話を聞きに行ったら、
容疑者本人に その内容が漏れる可能性は、
高いのだ。

それが女性ならば なおさら。

大友さんが、そんな可能性も 考慮せずに
「自分が(事情聴取に)出る」 と 言い出すわけがないし、
それを止めない同僚刑事も、どうなのよ？

すでに IT系営業マンと身分を偽って
容疑者との友人関係を築きつつあり、
それ以降も接触を保とうとする立場であるのに。


それだけでは、ない。

自宅で 同期三人で ビールを飲んだ後、
そのうちの1人に
「車で 送ってもいいけど」なんて 声をかける、
大友さん。

いくら 相手を心配してのことでも、
警察官が（いや、警察官でなくても）
飲酒運転を申し出るだなんて、
あり得ないでしょ。

びっくりした。


でも、もともと、
追跡調査係シリーズにしろ、支援課シリーズにしろ、
あれ？と思うような箇所（名前を間違えている、とか）
多いからなあ。

編集者とか、校正者とか、
チェックしないのかなあ。


さて、アナザーフェイスシリーズも、
残すところ、あと1冊。

他のシリーズを 先に読み始めた わたしは、
大友さんが すでに 捜査一課に戻っていることは
知っている。


現時点で 気がかりなことは、ただひとつ。

高畑さん、
警察官を辞めないでね。

フジのアクセント

ワイドナショーで、佐々木アナウンサーが
「新人時代、アナウンス室の先輩方から、
ことあるごとに アクセントを直された」
というお話をしていた。


え？本当？
そのわりには・・・？？


フジテレビのアナウンサーって
アクセントのひどい人が多いよな。

日頃から そう思っていたので、
内部に そのような習慣があったとは
意外だった。


ワイドナショー、酒のツマミになる話、村マヨで、
アクセント、漢字の読み方など
ナレーションに疑問を感じることが、多い。

でも こうやって放送されているからには
わたしの方が間違っているのかな・・・
と、思わず 調べてしまうことも。


30年くらい前に買った、アクセント辞典。

そうそう、このデザイン。
懐かしい。


言葉は変化するものとは言うけれど、
最近は なんでも平板化する傾向があり、
聞いていて、気持ち悪いのだ。

せめて アナウンサーの皆さんは、
ギリギリのところまで、
本来の読み方を守ってください。

お願いします。




新しいの、出ているんだ。
買おうかな。

と 思ったら、結構なお値段で 驚いた。

ビストロ・パ・マル

ドラマだから・・・
なのは、わかっている。

より良い接客のための情報共有である、
ということも、わかっている。

限られた時間の中、
ゲストのバックグラウンドを
本人に語らせることなく 視聴者に説明するには
この方法が一番なのだ、
ということも、わかっている。


それでも、なんか イヤなんだよな。

ソムリエとギャルソンが 本人をチラ見しながら
噂話をしているような お店には、
行きたくない、
と、思ってしまうんだよな。

安達祐実の無駄遣い

今シーズンの「ゼロ係」は、
番組冒頭に 5分くらい、予告編のようなものが
放送されていた。

メイン出演者から 1名(組)が 出てきて、
それまでのあらすじと 今回の見どころを、
VTRを交えて紹介する。

視聴者からすると、「この番組を観る」と決めて
TVの前に座っているのだから、
こんな、番組開始時間を過ぎてからの予告なんて
邪魔でしかないのだが、
コロナで撮影が思うようにいかず、
確保した枠を埋めるための 苦肉の策でもあった
のかもしれない。


一方で、このパート、俳優さんたちにとっては
サービス残業的な位置づけのもの
だったのだろうか。

文章にすれば ほんの数行の セリフなのに
カンペを読んでいるのが 丸わかりの方もいて、
その熱量の低さに、
観ていてがっかりすることがあった。


そんな中、安達祐実さんは、さすがだった。

視線が 画面中央から ズレることなく
いつもの調子で、すらすらと よどみなく
語り掛けてくる、本条靖子さん。

俳優魂というのは、
本編の見どころでの迫真に迫った演技だけではなく、
こういうところにも 現れるのだ、
というのを、教えてくれた。


カンペを読むのが 悪い、のではない。

カンペを読んでいる様子を、
カメラの前で晒してほしくないのだ。

視聴者が 画面の中に観ている その姿は、
俳優さん そのひとではなく、
役柄である人物としての、一場面なのだから。

たとえ、その予告編部分の撮影が、
休憩時間に「ちょっと お願いしまーす」と
軽く 声を掛けられて、
セリフとして覚える間もなく
撮影に臨まざるを得ないものだった、
としても。


そもそも、「ゼロ係」は、
安達祐実の無駄遣いなんだよな。

安達祐実さんだけではない。

主演級を4人も 揃えておきながら、
「拘束時間を短くすることで、ギャラを値切っている？」
と 勘ぐってしまうような、
もったいない使い方をしている。


日本の宝、安達祐実を、
どなたか、もっと上手に活かしてください。

中園ミホさんあたり、いかがでしょうか？

ご注意ください

家庭用小型超音波洗浄器の説明書の
「ご使用方法」欄に、
こんなことが 書いてあった。

３．フタを閉め、電源プラグをコンセントに差し込みます。
※フタを閉める際に指をはさまないようご注意ください。

指をはさまないように、注意しろ、と？

はさんだところで、痛くも痒くもないような、
軽くてユルい プラスティックの蓋である。

はさまったのなら、すぐさま 指を抜けば 良い
だけのこと。

そもそも、この蓋に 指をはさむことの方が、
難しそうだ。


それでも、
万が一にも あるかないかの事態を想定し、
説明書に 記載しておかなければ
ならないのだろう。


少なくとも この説明書を読み、理解できる程度には
成長しているはずの人間を、
どこまで 心配してあげないと いけないんだ？

いつから、こんな 大きなお世話的なことが
公式に 求められるようになったんだ？


大丈夫なのか、この国は。

言葉をなぞる

黙っていたが、しばらくして原沢は噴き出した。

「嶺花、いまだにお嬢様の思考だな」
（中略）
「そういう弱者の側に寄り添うみたいな思考は
もうはやらない。力がないんだよ」

嶺花は力という言葉をなぞった。

(大門剛昭氏著「反撃のスイッチ」より引用)



「・・・という言葉を なぞった」

この表現、いいな。
「なぞる」の ひとことで、情景が 目に浮かぶ。
雰囲気も、心情も、伝わってくる。

覚えておこう、と、思った。


しかし、わざわざ 心に留めておくまでもなかった。

この「・・・という言葉を なぞった」が、
そっくり同じ使い方で、
その後 わずか21ページの間に 3回も
出てきたのだ。

あまりに 頻繁に 登場するものだから、
目につき、鼻につき、
覚えるともなく 覚えてしまうと同時に、
すっかり興醒めしてしまった。


あーあ。もったいない。
せっかく 素敵な表現だったのに。

客よりケープ

美容院でカラーをしていた。

温めながら 放置すること30分、
薬剤が顔に垂れてきた。

手持ちのティッシュで拭っていると、
美容師さんが タオルを持って
駆けつけてきてくれた。

しかし、彼女は、
タオルで わたしの頬を拭くよりも 先に、
同じく 薬剤が垂れていたらしき ケープを、先に、
拭いた。


おいっ
客の顔よりも、ケープの方が 心配なんかいっ


8年の付き合い。
ふだん とても丁寧な物腰だし、
悪いひとではないのは わかっているから、
たぶん 咄嗟に 手が出てしまっただけなのだろう。

そして、自分が そうしたことにも
気づいていないのだろう。


でも、結構、驚いた。
もちろん、こちらも 気づかなかったふりを
したけれど。

LEXUS

ここ数日、近所のレクサス販売店が お休みのようで、
ほっとしていた。

客が来るたび、駐車の誘導をする その大きな声が、
非常に うるさいのだ。

オーライッ オーライッ オーライッ オーライッ オーライッ
オーライッ オーライッ オーライッ オーライッ
オライッ オライッ オライッ オライッ オライッ オライッ オライッ
オライッ オライッ オライッ オライッ オライッ オライッ
ハイッ オッケーでーす！！

1台 入るたびに、冗談抜きで 20回以上、
「オーライ！」と声を張り上げる。

窓を閉めていても、その声は 押し入ってくる。


レクサス ドライバーの皆さんは、
そんなに 駐車が お下手なのですか？