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靴下に恋焦がれる [お気に入り]

寒い季節を除き、
家の中では 裸足でいることが、多い。


子供の頃は、靴下を履いていないと
落ち着かなかった。

寝るときにも うっかり そのまま寝てしまい、
「親の死に目に会えないぞ」などと
ほかでもない、その「親」に、
脅されたこともあったけれど。

当時のわたしは
「しにめにあえない」=「親が死なない」
という意味だと思い込み、
こっそり わざと 靴下を履いたまま 寝たことも、
あった。


ちなみに、脅さなかった方の親の死に目には、
しっかり 会えた。

脅した方の親は、現在、死に目待ちである。

先に旅立った 連れ合いのことも
忘れてしまったようで、
まだまだ 人生を満喫するつもりらしい。

死に目の心配をするのは、たぶん
かなり先のことになるだろう。


さて、現在のわたしは
靴下を窮屈に感じる お年頃となったが、
今朝、目が覚めて すぐに
足が「あの靴下を履きたい」とつぶやいているのを
感知した。

あの靴下、とは、
無印良品の キナリの足なり直角靴下
のことである。

3足セットで…いくらだったろうか。


クッション性がある、とでもいうのか、
足を差し入れた瞬間、気持ちがいい。

足をソフトに 包んでくれる。
閉じ込められている感じが、ない。

裸足でいるよりも、心地よいのだ。


足が 靴下に恋焦がれる。
そんな日が来ようとは、思いもしなかった。

この靴下は、
毎日 この重いカラダを 支え続けてくれている
わたしの両足への、
ささやかな御礼の品である。



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